ビルメシが“真逆”のケトジェニック弁当を出す理由
「ビルメシ」といえば、高タンパク・低脂質のボディメイク特化弁当。
これまで多くのトレーニーやビジネスパーソンの「減量食」として定番になってきました。
しかし今回、新たに加わったのは――従来とは真逆の「**高脂質・低糖質**」=**ケトジェニックメニュー**です。
「なぜ、ローファット主流のフィットネス界で、あえてケトジェニックなのか?」
その背景をお話ししたいと思います。
1. ケトジェニックダイエットとの出会いは2012年
私自身がケトジェニックを本格的に実践し始めたのは2012年。
クライアントへの指導にも導入した結果、ダイエット効果はもちろん、**メンタルへの好影響**が驚くほど大きいことを体感しました。
一般的に「糖質制限=筋肉が落ちる」「健康に悪い」と誤解されがちですが、実際にはケトーシスに入ることで筋肉分解が抑えられ、むしろ体脂肪を落としながら筋肉を維持できるケースも多いです。
加えて、βヒドロキシ酪酸というケトン体には神経成長因子(BDNF)を増やす作用があり、集中力や気分の安定に寄与するという報告もあります。
私自身も「**頭が冴える**」「**気分が落ちにくい**」という実感が強く、ダイエットを超えた**ライフパフォーマンス向上**を感じたのです。
2. ローファットが主流である理由
もちろん、フィットネス界ではローファット(高タンパク・低脂質・中~高糖質)が主流です。
理由は明快で、**インスリンを活用した筋肥大やバルクアップには糖質が有効**だから。
また、ローファット食は誰にでも取り組みやすく、科学的エビデンスも豊富に存在します。
栄養学の教科書にも「脂質制限食」の減量効果は数多く言及されています。
「減量期=ローファット」という構図は、多くのトレーニーにとって常識になっているでしょう。
だからこそ、ビルメシも「市場ニーズ=ローファット」に合わせて、**マーケットイン型**で商品を展開してきました。
3. あえて“プロダクトアウト”でケトジェニックを出す理由
今回のケトジェニック弁当は、従来の市場調査ありきのマーケットインではなく、**専門性から逆算したプロダクトアウト**に近い発想です。
「ケトジェニックはまだ少数派」
「需要はローファットに偏っている」
確かにそうかもしれません。
しかし私は2012年から10年以上、クライアントの食事管理をしてきた中で確信しました。
ケトジェニックダイエットこそ、**体脂肪減少+メンタル改善**という“隠れた強み”を持つ食事法であり、必ず必要とされるタイミングが来ると。
ケトジェニックがもたらす具体的メリット
- ビジネスパーソンにとっては「午後の眠気が消える」
- 経営者にとっては「意思決定のスピードが上がる」
- トレーニーにとっては「減量末期でも筋肉を落としにくい」
こうした利点を考えると、ローファットと並ぶ“**もう一つの正解**”として提供すべきだと考えたのです。
4. 科学的エビデンスと現場感覚
実際、糖質制限食の臨床研究では、ローファット食よりも**体重減少や心血管リスク改善**で優れる結果も報告されています。
また、がん患者を対象にした研究では、通常食に比べてケトン食群の方が**筋肉量を維持できた**という報告もあるほどです。
一方で「開始直後のコレステロール上昇」「発育期の子どもには不向き」といったリスクも存在します。
だからこそ、**プロの知見に基づいた“正しいケトジェニックダイエット”の提供が重要なのです。**
私はこれまで、自身の減量・コンテスト準備、クライアントの大幅減量指導などで数え切れないほどケトジェニックダイエットを扱ってきました。
その中で実感したのは
「正しくやれば、ケトジェニックは想像以上にパワフルで、**安全性の高い戦略になり得る**」ということです。
5. ビルメシが目指す次のステージ
ビルメシの原点は「カラダづくりをサポートする食事」。
その形はローファット弁当だけに限りません。
筋肉を大きくしたい人には**ローファット**。
体脂肪を最短で落としたい人、あるいは集中力を高めたい人には**ケトジェニック**。
両者は矛盾するものではなく、**目的に応じた“使い分け”こそが重要**です。
「ローファットしか正解がない」
そんな固定観念を崩し、選択肢を広げることが、ビルメシの役割だと考えています。
まとめ
ビルメシがケトジェニック弁当を出した理由は、単なる流行ではなく、10年以上の実践と科学的裏付けに基づいた確信です。
- ローファットは筋肥大・減量において王道
- ケトジェニックは体脂肪減少+メンタル改善に強み
- プロダクトアウトの発想で“もう一つの正解”を提示
私たちは、どちらか一方を否定するつもりはありません。
むしろ「**目的に応じて最適な栄養戦略を選べる**」――その新しい選択肢を、皆様に届けたいのです。